2011年9月27日火曜日

消費期限終了

ヤフーにあった記事である。


 月給1万円のカンボジア人が「日本語入力」 日本人に
残された仕事はあるのか?


  ひと月ほど前にアジア各国を回って、現地で働いて
いる人や起業している人たちと会ってきました。

彼らは口々に「大変だけど、楽しい!」と言っていま
した。

実際、彼らの顔はイキイキしていました。
 
  そして、日本に帰ってきて、今度は就職活動に苦労
している学生や社会人に会いました。


「いや、ホント、大変ですよ」。確かにその大変さが顔
に表れていました。

日本で普通に生活したいだけなのに、なぜこんなに大変
なんだろう?

  「海外就職研究家」の私が言うのもなんですが、日本
国内で楽しくイキイキとできる仕事がたくさんあったら、
わざわざ海外に行く必要もないでしょう。

でも、そうもいかないから、いろんな選択肢を検討して
いる人が多くなっていると思うのです。

 

同じことしかできないなら仕事は安い方に流れる


  日本で普通の生活が難しくなっている理由は、東南アジア
を歩くとすぐに分かります。

先進国の人が貧しくなっている代わりに、途上国の人が豊か
になっているからです。

  今回、カンボジアで衝撃的な光景を見ました。10年前に
日本人のアルバイトがやっていた文字データ入力の仕事を、
カンボジア人が行っていたのです。

  日本語が分かる人は少ないのに、なぜそれが可能なのか。

それは、マウスでできる画像データの修正と、アルファベッ
トの入力作業のみ行っているからです。

その作業が終わると、次工程の中国やタイにデータを飛ば
していました。

  日本人がインターネットで送った元データを、カンボジア
人が一次加工し、中国人やタイ人が完成データにして日本の
顧客に戻してくる。

データの移動コストは、金額・時間共にほぼゼロです。


「日本語が話せるタイ人が月給5万円でこれだけ仕事をして
くれるのに、日本人に20万円払う必要はどこにもないよね?」


  こう言うと、「日本は生活費が高いんだから仕方ないだ
ろ!」と反論がきます。

確かにその通りなのですが、そんな個人の事情とは関係なく、
仕事は無情にも月給5万円の人のところに流れていきます。

  そうやって、月給20万円の日本人の給料は少しずつ下がり、
月給5万円の日本語が使えるタイ人の給料は少しずつ上がる。
そしてタイ人の仕事も、少しずつ月給1万円のカンボジアに
流れていくのです。

 

「仕組みを作って回す仕事」ができれば共存共栄


  先進国の国内格差は広がっているといわれますが、世界全体
から見ると格差が縮まっているともいえます。

途上国の貧困層と、先進国の中流層の格差が縮まっているのです。

そんなフラットな世界で、どうやって生き延びていけばいいのか。

 
  タイ人が5万円もらえているのは、1万円のカンボジア人にはない
「日本語入力」の技能を持っているから。

高い給料をもらうためには、それに見合うだけの技術が求められ
ます。

我々が月に20万円、30万円稼ぐためには、「日本語が使えるタイ
人」の何倍もの利益を生み出す技術が必要になるのです。

  例えば、カンボジアにデータ加工の仕事を発注しているのは、
他でもない日本人です。

ひとつの仕事を複数工程に分割し、タイ人やカンボジア人に効率
的に振り分ける仕組みを作ることで、低コストで制作する方法を
編み出したわけです。

  この仕組みは会社に毎月何百万円もの利益をもたらすので、
仕組みを作って維持管理する人は数十万円の給料をもらえる価値
があります。

  我々日本人が考える「普通の生活」は、世界からしてみたら
「あこがれの生活」であり、世界中の人から狙われている特権
階級の生活です。

そのポストを守りながら、他人を幸せにする道はないのか。

私は、あると考えています。

  日本が仕組みを作り海外に発注している仕事が、多くのカン
ボジア人の生活を豊かにしているように、日本人の技術や知恵を
アジアに展開すれば、世界のもっとたくさんの人を幸せにし、
我々の生活も豊かにできるものだと信じています。(森山たつを)


以上。


このような話が、言われてくるようになって久しい。このレポート
を読まされると、やはり、絶句してしまう。

だいぶまえだが、ウィルソフトのノートンのカスタマーサービスの
担当者の発音が気になった時に、その方に聞いたら、中国の「大連」
で、対応していると返事をしたが、中国人の日本語の習得力に、や
はり絶句してしまった。


今回のレポートで、

同じことしかできないなら仕事は安い方に流れる

と言っているが、このことが、このような形で、現実化できると
いうことには、驚きを感じてしまう。

このレポートで

「仕組みを作って回す仕事」ができれば共存共栄

と語っている。

そして、こういうことが、「仕組みを作る」という
ことなのかと、戸惑いを感じてしまう。

著者は、

我々が月に20万円、30万円稼ぐためには、「日本語が使えるタイ
人」の何倍もの利益を生み出す技術が必要になるのです。

こう語っているが、単なる単純作業では、低賃金しかもらえない
時代だと、宣告されているようだ。

そういう意味では、今日の日本の行政や教育機関、親そして、
就職活動する学生も、皆時代認識ができなくなっているのだ
ろう。

それにしても、日本人の誰もが、そのような仕組みを作る
側の人間になりうるのはあり得ないことだし、そういう
意味では、時代の流れとしては、日本人の絶対的な貧困化
は、避けられないのだろう。

それからすると、アメリカのように、仕事がなく、福祉で
食べていくしかない国民が生まれてこざるを得ないかも
しれない。

東南アジアに、アウトソーシングできない産業を日本が
創出できるか、それが可能か。どうだろう。

「人口自然減、最大の21万人 出生数最少の103万人」と
大きなニュースが流れたが、それが、できなければ、人口
減の本質的な解決はできない。

「スペイン 国外脱出者急増」という話が聞かれるが、日本
の若者もその時代に突入するかもしれないが、いったい、
日本の若者はどこにいくのだろう。

はてさて、マルクスが生きていたら、どのような処方箋を
書くのだろう。

 

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